住民税は、地方公共団体により課される税金で、個人や法人に支払い義務が生じます。住民税はシステム化が進み、計算や管理にはエクセルテンプレートや専用ソフトウェアの使用が推奨されています。特に法人においては、区分や課税の取り扱いが個人と異なり注意が必要です。また、担税力のない人や扶助を受けている種類により、非課税となるケースもあります。このページでは、住民税の基礎知識や支払い義務について解説しています。

住民税のシステム化
住民税のシステム化では、窓口業務の支援や法人異動情報から、申告賦課情報の管理などを始めとして、課税事務を幅広くサポートできるシステムが求められています。さらには、法人から申告がある場合に電子申告機能も付随していれば、調定作業から法人への通知なども含めて、業務はより効率化して行うことができます。
県民税や地方税など、住民税のシステム化は、いまもなお手作業で処理を行う自治体には、導入が急がれるシステムです。入力や証明書の発行は元より、幅広い業務に対応していることが必須になります。
所得税の計算は収入や経費などから算出をしていくのですが、ある程度の額を把握しておくことで、税金に必要な額をプールしておくことができます。その計算をするにしてもシステムを導入しておかなければなりません。
特に青色申告をするようなケースでは会計や財務管理ともあわせて計算する必要があるので、連動する管理システムを導入し多角的に経営を行うことができるようになります。
システム化の際には県民税など、個別に合ったものを導入する必要がありますが、販売管理とともに行っていくことで、より効率的な管理が可能になります。
相続税の計算のシステム化
家族などの死に伴い財産移転で行なう相続税の計算のシステム化は、難しい税額の算定を手軽に間違いなく行なえるとともに、幅広い帳票に対応していることも重要なポイントとしてあげられます。
相続税の計算では、いざ申告書を作成する段階に入るとその難しさに直面することになります。まずは、相続人や受遺者ごとに、財産の価額について、所定の財産評価の方式により計算を行ないます。
この財産評価については、経験豊富な税理士が計算した場合でも見落とす箇所や思い違いなどが生じる可能性もあり、税理士事務所では複数でチェックを重ねることになります。
相続税計算のシステム化においても、効率を求める一方で、他の業務も含めエラー項目を洗い出すチェック機能も求められ、検算作業をよりスムーズに行なえる事が重要です。
相続税の税務申告書の作成は、難しくて煩雑になります。相続税の申告というのは人生において何度も行うものではないでしょうが、作業を効率化するにはシステムを導入する必要があります。ソフトにはない機能を使うのならデータ連動ができるように別途システムを購入する必要があり、コスト面での課題もあるといえるでしょう。
地方公共団体と税金
地方公共団体というのは、その地域の住民に対して日常的なサービスなどを提供しています。こうした提供に必要な資金は、住民からの地方税とされる都道府県民税および市町村税、いわゆる住民税などから成り立っています。
公共団体に支払う住民税は法人も支払いの義務が生じる
一般的に住民税と言われている税金は、本来は法律上の用語ではありません。正しくは、地方税のうちの道府県民税と市町村民税を合わせた通称です。そのため、通常は住民税という言葉を使用しても問題はありません。
住民税は、その場所に住んでいる住民がその場所の公共団体に支払う税金です。そのため、道府県に対して道府県民税、市町村に対して市町村県民税の2つの公共団体に納付する必要があるのです。
しかもここで言う「住民」の中には、個人だけではなく法人も含まれます。すなわち、住民税とされる道府県民税と市町村民税は、個人だけではなく法人も納付する義務があるのです。なお、住民税は、所得金額の多さに関係なく均等な税額が課税されます。
法人などの住民税は、「法人等の道府県民税に係る均等割および法人税割」と「法人等の市町村民税に係る均等割及び法人税割」と区分されます。しかし、税率、外国税額控除の限度額等に相違があるほか、こうした税金は同様の方法により算定されます。
法人の区分と課税の取扱い
法人で都道県税などの住民税が課せられるのは、簡略的に言えば、「事務所を有する法人」、「事業所等を設けて収益事業を行う公益法人」、「事業所等を有するその他の公益法人」、「寮等を有する法人」、「事務所等・寮等を有する法人でない社団又は財団」となります。
それぞれに細かい規定や規約がありますが、こういった法人などに対して、住民税となる都道府県民税および市町村税が課税されます。なお、地方税には住民税の他に消費税なども含まれます。そのため、こうした地方税全般に対して支払う義務があるのです。
税金の管理や計算をエクセルテンプレートやフォーマットで行う
個人の事業主や法人などは、地方税となる住民税や消費税、国民健康保険税や延滞金といった税金に係る支払に対して、いろいろな手法で管理や計算を行うのが一般的です。
個人であれば、住民税などの地方税と国民健康保険税といったものから、場合によってはふるさと納税計算や延滞金に至るまで、excel(エクセル)で簡単に管理している人も少なくないはずです。
excel(エクセル)であれば、特段難しい操作は必要ありませんし、テンプレートやフォーマットといったものが、インターネットで簡単に検索・ダウンロードすることができるからです。もちろん、延滞金の計算などについても、excel(エクセル)であれば、簡単に算出することができるので、今話題のふるさと納税計算など、税金に係る多くのことを幅広く管理するのにはおすすめです。
しかしながら、こうしたexcel(エクセル)で税金や国民健康保険税、延滞金といった税金を管理しても、年数が経てばexcel(エクセル)ファイルが増えていくことになります。
こうなると、複数のexcel(エクセル)からピンポイントで税金の金額を確認するのは容易ではなく、また、延滞金などについては複数のexcel(エクセル)にまたぐ可能性もあるため、あまり簡単だとは言えずおすすめだとは言えないのです。
なお、テンプレートやフォーマットをクラウドへ保管することで、バックアップを行いながら共有を図るといった方法もあります。クラウドであれば、多様な端末からアクセスが可能です。どこにテンプレートやフォーマットを保存したか迷うことも少ないですし、いざ使用する時にも端末を選ばないのがクラウドの魅力だと言えるでしょう。
個人の事業主や法人の方はソフトウェアがおすすめ
個人の事業主や法人でおすすめしたいのが、地方税や国民健康保険税および延滞金が計算・管理できるソフトウェアです。ソフトウェアは税金の複雑な計算や管理を簡単にそして簡潔にシステム化してくれます。
こうした地方税や国民健康保険税やふるさと納税計算を管理・計算するソフトウェアは、数多く存在しています。もちろん、こうしたソフトウェアは手持ちのテンプレートやフォーマットに必ずしもマッチしているとは言えません。しかしながら、テンプレートやフォーマットを作り直したとしても、ソフトウェアでより簡単なシステム化を図るのは、決して非効率的なことではなくおすすめです。
テンプレートやフォーマットを作り直すのには手間がかかりますし、今までの手順を変えるのでシステムやツールを見直す必要があります。こういった手間や時間を惜しまずに勇気を持って導入に踏み切ってみましょう。
住民税や地方税県民税を管理計算はランキング上位から検討
地方税や国民健康保険税を管理・計算するソフトウェアの導入を考えた時、どういった方法で検討・比較を行うべきでしょうか。
簡単な検討・比較方法としておすすめしたいのが、人気ランキングを活用した検討・比較方法です。
人気ランキングであれば、そのソフトやツール・アプリが使いやすいシステムかどうかを一目で簡単に比較することができます。また、数多くのソフトを一気に比較・検討できるのも、人気ランキングのおすすめしたいポイントだと言えるでしょう。
人気ランキングなどは、フリーソフトとシェアソフトなどで別れたランキングや、フリーソフトだけのランキング、シェアソフトだけのランキンといった、ソフトの種類によって別れたランキングなどがあります。
また、人気だけの比較だけではなく、ソフトのツールやアプリといった使いやすさの比較に紐付いたランキングや、システムにこだわったランキングなど、いろいろな角度から比較しているランキングもあるので、こういったランキングを活用すれば、より簡単にソフトを比較・検討することができるでしょう。
人気があるフリーソフトであっても使用用途を満たせるか確認
ソフトをダウンロードして使用する時に気をつけたいのが、そのソフトが本当にニーズにマッチしているかどうかです。先に紹介したランキングを参考にした比較はおすすめなのですが、それだけにこだわってはいけません。
それは、フリーソフトであれシェアソフトであれ、必要なツールやアプリなどと言ったシステムが備わっていなければ、人気があるソフトであっても一つの価値もないからです。
フリーソフトやシェアソフトを比較する時に、時間があればおすすめしたいのが、ダウンロードして実際に触ることです。
フリーソフトはもちろんのこと、シェアソフトであっても、一定期間フリーで全てのツールやアプリを使用できるフリー期間が設けられているのが一般的です。そのため、フリーソフトに限らずシェアソフトでも無料で実際の機能を確認できるのです。どういったツールやアプリがフリーで扱えるかは、ソフトにより異なります。ダウンロード機能だけが使用できないソフトや、全ての機能をフリーで使用できるソフトなどさまざまです。
また、シェアウェアにおいては、CDやインターネットからダウンロードしてインストールするソフトだけではなく、クラウドソフトとして販売されているものもあります。クラウドバージョンの場合、ソフト本体やそれに付随するアプリなどが、無料および有料でアップグレードされるなど、常に最新の状態に保たれているのが特長です。ただし、クラウドバージョンの場合、ライセンス期間が限られている場合が多く、一度ダウンロードしてインストールしたら永遠に使用できる、従来型の買い切り型のソフトとは違うので注意が必要です。
コストの部分以外に業務で必要十分であるか考慮しシステム導入
税金に係るシステムを導入する時には、手書きの台帳から、excel(エクセル)などの表計算ソフト、そして無料で使用できるフリーのソフトや購入型のシェアソフトなど、さまざまな方法があります。
フリーのソフトは無料だからコストがかからないとか、ふるさと納税計算に使用できるからや、手書きが従来どおりで楽だからといった安易な方法で運用方法を決めてはいけません。無料だと思っていても、運用方法によっては手間に対するコストが発生したりするのです。
無料や有料などにこだわるのも大切ですが、そういったコストの部分ではなく、無料で十分に補えるか、有料でないと業務に支障が出るかといった観点などから、導入するソフトは慎重に選ぶようにすると良いでしょう。
住民税とは?
給与や扶養家族数などによって計算が必要な住民税ですが、無料でダウンロードできるフリーソフトを使えば、誰でも簡単に計算することができます。また、やっかいなふるさと納税計算や、国民健康保険税のこともお任せできておすすめです。計算したあとはクラウド上で保存しておけば、いつでも履歴として見ることができますよ。
個人で支払う住民税には、道府県民税と市町村民税の2つの税があります。この2つの税金は、国民がその土地に住むにあたり受けられるさまざまな行政サービスを継続するために必要なお金を賄うもので、その区域内に住所を持つ住民に対して徴収しているものになります。
住民税を免除される人
住民税は基本的にはすべての住民に対し平等に課せられる税金ですが、担税力、つまり税を納めるだけの力がない人にも税金を求めるのは負担であるとして、課税を免除する場合があります。それが、
① 生活保護法の規定による生活扶助を受けている者
② 障がい者、未成年者、老年者、寡婦または寡夫
(ただし前年の合計所得金額が125万円以下の場合のみ)
上記の2つの条件になります。
そもそも「住所」とは?
実は、地方税法には住所とは何かと定める規定などはありません。ですから基本的には民法に規定されている住所の概念を流用しています。それによると住所とは各人の生活の本拠ということになっています。生活の本拠とするのは、個人の日常生活の状況、家族の生活の状況、家族との連絡の状況、職業など、その人の生活全般を総合的に見て判断するべきであり、民法に従って住民税においてもそのように扱われています。
「住所」はいつ定められるのか?
市町村をまたいでの引っ越しはいつでも誰にでも起こりうることですが、その場合、住民税はどの時点で徴収されるようになっているのでしょうか?
個人の住民税の徴収は、その個人が住む地方が徴収する決まりです。そして、その地に住所があるかどうかを判定する日は「1月1日」と定められています。つまり、1月1日までA地に居住していて、2日にB地に転居した場合は、その年の地方税はA地に納めるという仕組みです。
住民基本台帳に記載されない外国人や帰国者はどうなるのか?
地方団体は住民基本台帳を使用して住所の認定等を行っていますが、住民基本台帳に記載されない個人というのも存在します。例えば外国人や、国外に住んでいて帰国し、新たに国内に住むことになった日本国民、さらに、国内から国外に移住することになった日本国民がこれに当たりますが、これらの人々の住所の認定は以下のように定められています。
①新しく国内に住むことになった外国人等
・賦課期日(1月1日)までに1年以上国内に住んでいる外国人等は、賦課期日現在の居住地に住所があるものとする。
・賦課期日までの居住期間が一年未満の場合、入国後継続して1年以上国内に住むことを通常必要とする職業を持つのであれば、賦課期日現在の居住地に住所があるものとする。
②出国することになった個人
・単なる旅行にすぎない場合(出国期間、目的、出国中の居住の状況などで判断)は、出国前の居住地が住所となる。
・国内に住所があるかどうか不明の個人については、国外で1年以上住むことを通常必要とする職業を持つ場合には、国内に住所はないものとする。
個人とは扱いが異なる「事務所等」の住民税の仕組み
住民税において、地方団体内に事務所や家屋敷を所有している人で、その個人の生活する居住地は別の市町村内にある場合は、均等割が課税される仕組みになっています。
事務所とは
事務所、または事業所とも言いますが、それらの定義は「事業の必要から設けられた人的および物的設備であり、そこで継続して事業が行われる場所をいい、人的および物的設備がその個人の所有に属するものであるかどうかは問わない」ことになっています。つまり、貸ビルや貸事業所を借りている場合も、事務所に含まれるということです。
さらに、例えば本業とは異なる付随的な事業だけを行う場であったとしても、そこで事業が行われていると社会通念上考えられる場合でも事務所として扱われます。
何より継続的に事業が続いているものという「継続性」が大きなポイントになります。
家屋敷とは
家屋敷とは、個人が本人もしくはその家族が住むために所有する家でも、居住する住所地以外の場所に設けられている住宅のことを指しています。例えば、別荘や別邸などが考えられます。ですから、他人に貸すために設けられている貸家用住宅や、一般的な住宅でも家族以外の他人が居住している場合は家屋敷に含まれません。また、間借りのように独立していない部屋などは含まれず、あくまで独立した家屋であることが前提です。
預金・貯金・国債につく利子にも税金が課税されている?
銀行預金や郵便貯金、国債などを個人で所有している場合は、利子が発生するものですが、その利子にも、その利子が支払われる際に5%の税率で課税されています。
住民税の納税義務を負わない個人について
生活保護を受けている人や、障がい者など担税力がないと判断される個人については、住民税を納税しなくても良いとされている、と書きましたが、ここで詳しくみてみましょう。
担税力のない人とは?
税金を納めるだけの力がない人、というような意味ですが、現実的な例でいえば、未成年で親に扶養してもらっている者や、成人でも自らの生活を自身で賄っておらず、他人に負担してもらっている者などは、そうした人にまで税負担を求めるのは適当ではないという観点から、個人の住民税を課さないということになっています。
扶助を受けている種類によって非課税か課税に分かれる
生活保護法によると、扶助には生活全般を受け持つ生活扶助と、住宅、教育、医療、出産、失業、葬祭など個別的に扶助を受けるものに分かれます。住民税については、生活補助は全面的に非課税となりますが、そのほかの規定の扶助については課税するのが一般的な対応です。
住民税・地方税の計算はエクセル等のフリーソフトを使用してお早めに
障がい者、20歳未満の未成年者、65歳以上の老年者、寡婦・寡夫は住民税の納税を免除される立場ですが、前年度の所得合計が125万円以下でないと非課税の対象にはなりません。障がい者や寡夫・寡婦には該当するものと該当しないものがありますので、注意しないといけません。その他にも細かな事項がありますので、住民税・地方税の計算はなるべく早めに済ませるようにした方が良いですね。
ふるさと納税計算にも使える無料のフリーソフトは、比較して自分に合いそうなものを見つけましょう。人気のものは使いやすいソフトが多く、おすすめです。エクセルのテンプレートも随時バージョンアップされていますので、ときどきチェックすることをおすすめしています。
面倒な計算はソフトウェアやアプリなどのツールを使い、効率よく作業しましょう。