不動産投資を成功させるために事業収支計画の立案が不可欠です。物件購入や改修、賃貸運営の各段階で適切な計画を組むことで、資金の流れを最適化し、リスクを抑えつつ収益を最大化できます。収益ベースやキャッシュベースの収支計画を活用し、IRR法やDCF法などの計算手法を知っておきましょう。適切なソフトで事業計画書の作成を行うことで投資の成功を実現します。このページでは、事業収支計画の作成方法について解説しています。

不動産投資で成功する事業収支計画
購入した不動産や、改修した既存の建物などを賃貸するなどして収益を得る不動産投資。やみくもな不動産投資では成功するのが難しいでしょう。利益を上げ成功するためには、事業計画書を作成し、購入前や賃貸中の事業収支計画をしっかり行う必要があります。
ひとことに事業収支計画といっても、収益から費用を差し引いた収益をベースとしたものや、家賃の回収やローンの返済、税金の支払いなどキャッシュをベースにしたものがあります。不動産投資を行う場合は、収益ベース、キャッシュベースのいずれの事業収支計画も把握しておく必要があります。
しかし、これを自分で行うのは不可能です。収益ベースの場合には、IRR法(内部収益率法)やDCF法(収益還元法)などを用いて計算します。また、キャッシュベースの場合には、税金の計算を自分で行う必要があります。
事業収支計画書作成ソフトを使えば、必要事項を入力するだけで、簡単に事業収支計画書が作成できます。収益ベース、キャッシュベースのどちらか一方に特化したソフトもあるので、自分に合ったソフトやエクセルテンプレートを選択することも可能です。
無料のものからダウンロードして、事業計画書を作成してみてください。
建物別の収支計画を作成し不動産で収益アップ
所有している不動産でしっかりと収益を上げるためには、事業計画書や収支計画書を基に建物別の収支計画を把握しておく必要があります。
建物別に収支シミュレーションなどを把握せず、事業全体の収支しかわからない場合は、例えば思ったより利益がでなかったときに、どの物件に問題があるかわかりません。また、修繕費など予定していなかった出費が急に必要となることもあります。
建物別収支計画を立てるためには、現在の収支の状況を把握するだけでなく、将来の収支計算や減価償却、修繕計画、資金調達計画などさまざまな要素を加味して収支シミュレーションを行う必要があります。しかも、アパート・マンション・テナントビルなどの種類ごと、物件ごとに行う必要があるので、1人で行うのは不可能に近いのが実情です。
建物別の収支計画書ソフトを使えば、必要な事項を入力するだけで簡単に収支計画書や事業計画書が完成します。また、アパートの経営やテナントビル、高齢者向け住宅など用途別に特化したものや、修繕計画など目的に特化したソフトもあるので、自分に合ったソフトやテンプレート、アプリを選択できるメリットもあります。ぜひ無料のソフトウェアをダウンロードしてみてください。
不動産投資収支計画と投資シミュレーション
不動産投資のなかでリスクが低いヤドカリ戦法での不動産取得
不動産を取得する方法の一つに、「ヤドカリ戦法」と呼ばれる手法があります。この手法は、アパート経営などを考えた時に、最初から賃貸物件として物件を購入するのではなく、自宅用として物件を購入して不動産所得を行い、その支払いを終えた後で賃貸物件へ変更するという方法です。
こうしたヤドカリ戦法もそうですが、アパート経営を目論んで賃貸目的で不動産を取得する場合は、まずは小さな物件に抑えておくことがおすすめです。それは、万が一アパート経営に失敗したとしても、最小限のリスクに留めることができるからです。
不動産取得を目指す場合脱サラは避ける
いずれにしても、アパート経営など賃貸物件による不動産取得を考えた場合、他人はもちろん自分も住みたくなるような物件でなければ、人気の物件となるわけもなく、とてもアパート経営は成り立ちません。
そして、もしアパート経営を目論んで物件を購入した場合、まずは住宅ローンを完済することから考えるのがおすすめです。特に、住宅ローン支払い中である物件にも関わらず、アパート経営などで賃貸にその物件を回すことは、不動産取得などの不動産投資とみなされ違法になってしまいます。
加えて、住宅ローンを活用しながらアパート経営による不動産所得などを目指すのであれば、脱サラをしないほうがおすすめです。それは、住宅ローン控除など、サラリーマンの住宅ローンは待遇処置が施されているからです。また、脱サラをしないことで、万が一の失敗に対してもリスクマネジメントとして機能します。
今後どれだけ稼ぐ力を持っているかをもとに算出する収益還元法
収益還元法という試算方法があります。この収益還元法というのは、対象となる不動産が将来的に見込める純収益予想に対して、現在価値の総和を算出することにより、対象となる不動産の試算価格、いわゆる収益価格を導き出す方法です。収益還元法を取り扱うことで、賃貸用の不動産と賃貸以外の事業に係る不動産の価格を求めることができます。なお一般的には、収益還元法は「取引事例比較法」や「原価法」と比べると、合理性が高いと言われているます。
不動産収支計画は投資シミュレーションで様々なパターンを想定
こうした不動産所得などで収入を得ていく場合、不動産収支計画を立てるのがおすすめです。特に、複数の不動産を所有する場合は、不動産収支計画や投資シミュレーションを行い、さまざまなパターンを想定するのが良いでしょう。また、不動産収支内訳や不動産収支計算なども、不動産収支計画には必要なものです。
投資金額に対し年間の家賃収入がどの程度か見極める表面利回り
不動産投資の物件を選ぶ時に「表面利回り」という言葉を目にすることがあります。表面利回りとはパーセントで表せる率で、年間の家賃収入の合計を投資金額で割った数字から算出されまさす。
投資金額に対して年間の家賃収入がどの程度か見極める数値ですが、この数値で気をつけたいのが「満室」を想定して計算されている数字だということです。どんなに人気が高いアパートであったとしても、満室を保ち続けるのは簡単ではありません。その簡単ではない理想の状態から導き出された計算で出てくる数字は、あまり現実的な数値とは言えないのです。
こうしたことから最近では、「実質利回り」と呼ばれる、年間の家賃収入の合計から経費を引いた数字から算出する方法も取り入れられています。しかしながら、こちらの方法であっても、満室という条件は変わりませんし、必要経費がどの範囲までかというのも曖昧です。
そのため、こうした数値に関してはあくまで目安として捉えておくと良いでしょう。
全ての業務や管理を自身で行わず役割分担し無理なく運営
不動産投資などを行い収入を得たいと考える時に、仮想の数値を気にすることは重要ではあります。しかし、より重要なのは、年間の家賃収入や更新料などの収入額に対して、実際にどの程度の現金がいくら残るかというところかもしれません。
賃貸など不動産を管理するには、メンテナンス費用というものがかかってきます。共用部分の水道代や電気代といったところから、清掃料金や不動産仲介料など、その経費はさまざまです。加えて、家賃収入を安定させるためには、居住者を募らなければなりません。また、こうした経費や広報に加えて、税金に対する知識も必要です。
全ての業務や管理を自分自身で行うことは簡単ではありません。ですから、税金のことは税理士に、不動産のことは不動産屋に、計算や管理はソフトにといった形で、できる限りの役割分担をして、無理のない運営と収支計画を立てておくことが一番大切だと言えるでしょう。
エクセルテンプレートによる不動産管理
不動産収支計画や不動産収支内訳など、不動産に関する情報を、まずはexcel(エクセル)のテンプレートなどを用いて管理してみるのがおすすめです。これであれば、ひとまずは簡単に不動産収支計画や不動産収支内訳などを管理することができるでしょう。
また、不動産収支計画や不動産収支内訳だけではなく、不動産収支計算など不動産所得に係る計算も、excel(エクセル)のテンプレートを活用するのがまずはおすすめだと言えます。
不動産収支計画や不動産収支内訳、不動産収支計算など不動産所得に係るexcel(エクセル)のテンプレートは、インターネットなどで検索すると、無料のデータが簡単に見つけることができます。
また、無料で見つかるexcel(エクセル)のテンプレートは、フリーダウンロードできるものがほとんどなので、まずはexcel(エクセル)のテンプレートをダウンロードして活用してみると良いでしょう。
さらに、無料でフリーダウンロードしたexcel(エクセル)のテンプレートの計算式に、不動産収支計算など不動産所得だけではなく、自分自身の投資シミュレーションなどを加えてみたり、収益還元法による計算式を加えてみるのもおすすめです。
フリーソフトやアプリで収支計画や収支内訳書や収支計算書管理
フリーソフトやフリーのアプリなど、無料でダウンロードできるソフトにも、不動産収支計画や不動産収支内訳、不動産収支計算といった管理を可能とするものもあります。
こうしたフリーソフトやフリーのアプリは、無料でダウンロードできるexcel(エクセル)のテンプレートに比べると、より複雑な処理も可能にしているものが多く、より精度の高い投資シミュレーションを可能にしてくれるはずです。
もちろん、こうしたフリーソフトやフリーアプリも人気の高いソフトのほうが、簡単でかつ使いやすいというのが特徴です。そのため、まずは人気の高いフリーソフトやフリーアプリをダウンロードして無料で使用してみるのがおすすめと言えるでしょう。
不動産投資シミュレーションではフリーソフトよりシェアソフトが便利
不動産収支計画や不動産収支内訳、不動産収支計算そして投資シミュレーションを行う上で、excel(エクセル)のテンプレートおよびフリーソフトでは希望とするデータ分析ができなない場合があります。
そうした場合は、より高度で処理能力の高いシェアソフトを導入するのがおすすめです。シェアソフトには人気の高い機能やアプリを搭載した、フリーとは比べられないほど分析力の優れたソフトがたくさんあります。
不動産収支計画や不動産収支内訳などの管理はもちろんのこと、不動産収支計算、投資シミュレーションさらには収益還元法による算出など、シェアソフトだからこそのかゆいところに手が届く感覚は、一度使ってみるとフリーソフトとの違いがすぐにわかるでしょう。
不動産に係るこうしたデータの管理や投資シミュレーションなどの分析を考えた時に、フリーソフトやアプリのメリットやシェアソフトのメリットをそれぞれ把握して、人気や導入の簡単さだけで選ぶのではなく、自分の使い方にマッチしたソフトを選ぶようにしましょう。
不動産投資で失敗しないために
いっときサラリーマンの間でも不動産投資がブームになりました。確かに不動産投資は資産形成には魅力的です。早期退職や転職も他人事ではない今のご時世、うまくいけば不労所得が得られ、老後も年金以外に所得があると思えるのは心の余裕にも繋がって、日々の仕事への取り組み方も前向きにしてくれたりします。ですが、それはあくまでもうまくいっていればのお話です。不動産に対して素人がいきな投資を行って成功するのなら、日本国民全員がお金持ちであるはず…。でもそうではないということは、失敗する人が少なからずいるからなのです。
借金の返済額<家賃収入でOKと思っていませんか?
銀行から融資を受けられることが分かると、気になるのが月々の返済額。その金額と得られる予定の家賃総額を比べて、家賃総額が上回っていたら黒字だと勘違いしている投資家は意外と多いのです。不動産投資をするのに必要な経費がすっぽり抜け落ちているパターンです。経費というのはだいたい、修繕費・管理費・保険・税金などがあります。それらは一年~数年単位で発生する費用ですので、月々の家賃で黒字になるか検討したい場合は月単位に落とし込んで費用に入れ込む必要があります。上記は銀行から融資を受けて投資を行うことを前提にお話しましたが、一番良いのは銀行の融資を受けずに自力の資金で物件を購入することです。そうすれば融資という名の借金を背負わず、無駄な利息も発生せず、家賃収入をほぼ丸々手に入れることができますから、投資としての安全性もぐんと高くなります。
銀行の融資実行と投資がうまく行くかは関係のない話
お金を借りることなく投資ができればそれに越したことはないのですが、実際にそんな大金がある人は少数派で、多くの人がまず銀行にお金の相談に向かいます。そこで与信という審査があり、それに通れば融資が下りるのですが、問題なのがこの与信です。この与信のせいで「銀行が大丈夫だと思ったから融資が下りた。だからこの投資は万全だ」と勘違いする人がいます。
銀行は不動産投資がうまく行くか行かないかという投資家目線では融資を判断していないので、その考え方は危険です。銀行が一番気にするのは「ちゃんと返済を滞らせず支払い続ける能力」です。つまり、返済ができていれば、大家の収入がゼロでも気にしないのが銀行。しかし、投資家としてはゼロでは困ります。また、投資がうまく軌道に乗らず残念ながら返済金の支払いができなくなった場合、それでも銀行はその物件を取り上げて競売にかける「抵当権」を執行すれば損をしません。投資がうまく行くか行かないかは、銀行にとっては何の関係もない話なのです。
「でも、見込みのない投資ならさすがに融資は下りないのでは?」とお考えですか?いえ、そうでもありません。与信調査の結果、投資家の自己資産が貸す予定の金額より上回っていれば、銀行内では十分貸すべき融資となるからです。投資がうまく行くかどうかを銀行の融資によって判断するのはナンセンスなのです。
「非公開情報!これで必ず儲かる」そんな話はありません
真剣に不動産投資を考える人が最初に参考にするのは、おそらく不動産投資に関するノウハウ本か、不動産投資セミナーといったところでしょう。勉強は必要なことですが、「会員登録で非公開情報おつたえします」ですとか、「高確率で儲かる情報」というような宣伝文句で集客している人と出会うことがあるかも知れません。もちろん怪しいですよね。怪しむだけでなく、必ず儲かる!というような話は不動産業界ではまずあり得ないということを具体的に知っておきましょう。
インサイダー取引が許されない証券会社とは違い、不動産会社は良い情報があればそれを自社で扱っても構いません。ですので、もし本当にお得な投資物件があったとしたら必ず業者は自分たちで買います。それをせず他人に儲け話として渡す理由は「その物件を自分で買うよりも、誰かに売った方が儲かるから」。本当に美味しい話は業者が持っているので、待っているだけで本当の儲け話がやってくるということはない、と思っていた方が良いでしょう。
「腕のいい職人を紹介しますよ」は高く付く?
物件探しに協力してくれた業者から「腕のいい職人がいるリフォーム会社を知っているから、良かったら紹介しますよ」なんて言われることがあると思います。そのほとんど場合は好意ではなく業者がリフォーム会社からマージンを受け取るための手法ですので、費用が高いことが多いのです。まずは相見積もりを数社依頼し、それから費用・リフォームプランなどを総合的に見て判断する方が賢明です。
物件は都心?郊外?いえ、自宅の近くが低リスク
投資物件を探していると、都心で買う方が良いのか郊外で買う方が良いのか、という関心が後を絶ちません。都心、郊外それぞれにメリットとデメリットがあり、また少子高齢化による都心集中の傾向やさまざまな時勢を加味することも必要であり、一概にこっちが正解!とは言えないのが投資の難しいところです。
ただ、ひとつおすすめしたいのは、「自宅の近くで物件を買う」という選択の仕方です。
最終手段「自分が住む」というリスクヘッジを加えよう
今住んでいる街の中で投資物件を買うことには、いくつものメリットがあります。
①時間・金銭的なコストが抑えられる
物件を運用している間は、何かとその土地へ足を運ぶことが多くなります。遠い物件を選ぶよりも近い物件を選んだ方が、時間的・金銭的なコストを低くすることができます。
②結果的に空室率低下を実現できる
大家として近所に住んでいれば、クレームやトラブルのときにも迅速に対応することができます。遠い場所ですと目の行き届かないところが出てくるのでどうしても管理業者に依頼する必要が出てきます。こまめに目をかけることで入居者の満足度が上がり、結果として空室率低下に繋がります。
③「自分が住む」というリスクヘッジができる
投資はさまざまな外的要因によって失敗のリスクがつきまといます。マンション・アパート・戸建での不動産投資を考えているなら、なるべく「自分が住む」という最後の手段を残しておいた方が、多くのリスクを抱える投資初期には向いています。まったく知らない土地・遠い土地に物件を購入しても、自分の生活範囲外の場所ですと自分で住もうとはなりませんので、もし誰かに貸すことが難しくなった場合、ただの負債となってしまいます。
④街の内情を知っていることは大きな強み
今住んでいるところでなくても、地元・親戚がいる街・昔住んでいたところなど、自分がゆかりのある町というのは、ある程度内情が分かり、どの場所にどんな建物を建てれば収益できそうか考えやすいのもメリットに挙げられます。
あらゆる投資シミュレーションを使いこなそう
不動産収支計画・不動産収支内訳・不動産収支計算・事業計画書の作成など、不動産投資にはさまざまなシミュレーションや計算が必要不可欠。しかし、アパート経営をしながらそうした会計的な業務も一手に行うのは大変です。
収支シミュレーション・不動産収支計画はソフトを活用すべし
フリーソフトは無料で誰もがダウンロードできるソフトです。エクセルで自作するのが苦手な人は、エクセルで使用できるテンプレートも豊富ですので、人気のものをまず使ってみるのがおすすめです。フリーソフトはなるべく簡単に操作できそうな、分かりやすいものを選ぶとやりやすいでしょう。自動であらゆる投資シミュレーションをしてくれるソフトもあります。