農業におけるリスクマネジメントは、天候不良や病害虫などの自然に起因するリスクから、人的ミスに至るまで幅広い課題に対応するための重要なスキルです。リスクを最小限に抑えるためには、圃場の分散や資金計画の策定、日々の農作業記録が不可欠です。適切な記録術とソフトウエアの活用が効果的にリスクを軽減します。このページでは、農業におけるリスクマネジメントの方法と農作業記録の重要性について解説しています。

農作業におけるリスクマネジメント その1
農作業を行う上でリスクというのは必ずついてまわるものです。こういったリスクに対してどう対処するか、そしてリスクをどう回避したかが、農作業の経験として蓄積されていきます。
天候不良や病害・虫害によるリスク
天候不良や病害・虫害などによるリスクは、農作業を行う上で避けては通れないと言えるでしょう。
時には大きな災害や冷害などにより、農作物の収穫量が壊滅的に減少するといった危機的な状況に陥ることがあります。特に、昨今においては、甚大な災害が多く、その度に農作物はただならぬ影響を受けているのです。
また、日本の農業において夏場の高温多湿という環境は、病害虫との戦いの場とも言えます。農薬の散布縮減という時代の流れもあり、病害虫に対してどのように被害を防止するかは大きな課題となっているのです。
こうした数多くのリスクや災害に対して、新品種や新技術の開発が日々行われています。生産性向上にはつながっていますが、根本的な解決策とまではつながらないものです。やはり、リスクに対する対応を考えていくことが大切なのです。
圃場を分散させることでリスクを分散
例えば冷害に対する対応して考えられるのが、圃場を分散させるという方法です。同じ場所で同じ作物を栽培していると、結局は同じ冷害を受けてしまいます。そこで、気象条件が異なる圃場を確保して作物を栽培することで、リスクを分散させることを行います。これであれば、片方の圃場で冷害が発生しても、もう片方の圃場での収穫が見込めるのです。
人的なリスクへの対処
人的なリスクも農業には存在します。人的なリスクとは病気や怪我などです。こうしたリスクにより、農作業を行う働き手自体が減少してしまいます。加えて、担い手不足も人的なリスクとして捉えることができます。
こうした人的リスクに対処するには、労働環境や労働条件を変化させる必要があります。
農機具のメンテナンスを頻繁に行うことでの事故リスクの軽減や、保険など福利厚生への対応、さらには働けない時期や収穫量減少時期に対する給与の保証など、安心して働きやすい環境づくりを行う必要があるのです。
農作業におけるリスクマネジメント その2
農業のリスクに対応できる資金計画と日々の農作業コストの削減
こうした農業におけるさまざまな対応に対しては、多くの資金が必要となる場合があります。そこで問題となるのが費用です。
日々の農作業を行っていく上でよく考えるべきことが、コスト削減という考え方です。
農作業機械などを保有していると、メンテナンスコストや更新コストなどがかかります。こうしたコストを抑えるために、主力の機械作業を共同化するなど、地域でのコスト削減を進めていくのも良い方法と言えるでしょう。
また、農機具車庫や休憩所といったものや鳥獣害防止柵などについては、業者を通さずに自分で構築するのも一つの方法かもしれません。
さらには、資金調達として借り入れを考えるのも大切です。借り入れは、銀行や農協で取り扱っているものをよく検討して導入すると良いでしょう。
大切なのは、資金計画を組み立てて、長期的に安定した資金を確保していくことと言えるかもしれません。
日々の情報や経験を農作業記録を農業日誌としてデータベース化
こうした農業に関する日々の情報や経験などの農作業記録を、農業日記としてデータベース化しておくことをおすすめします。家庭菜園においても同様に農業日記などを記録しておくのがおすすめです。
それは、農作業記録として農業日記をつけておくことで、栽培履歴などがすぐに分かりますし、以前のトラブルなどの経験が蓄積されて、次のトラブルへの対処へ簡単に対応できるからです。
家庭菜園における農業日記も、栽培履歴としては非常に優秀です。農業日記を見るだけで、どの季節にどの植物を植えたか簡単に分かりますし、その際にどういった植え方をしたか、どういった肥料を使用したかなどが即座に知ることができるからです。
このように、農業における農作業記録や家庭菜園における栽培履歴に農業日記は必要不可欠な要素なのです。
農業日記の農作業記録として必要な内容・項目
農業日記の栽培履歴として、どのような内容を農作業記録として残すべきでしょうか。
まず栽培履歴として必要なのが、「いつ」「どこに」「何を」「どのようにして」栽培したかです。栽培履歴を農業日記として捉えれば、こうした日記のような項目が農作業記録として必要というのが自ずと理解できるはずです。
さらには、その日の天気や温度・湿度はもちろん、写真なども添付するのもおすすめです。
農作業におけるリスクマネジメント その3
家庭菜園の農作業記録はエクセルの無料テンプレートがおすすめ
家庭菜園などの農作業記録を保存するためにおすすめしたいのが、excel(エクセル)のテンプレートの活用です。excel(エクセル)のテンプレートは、無料でフリーダウンロードすることが可能で、簡単に農作業の記録を取ることを開始できます。
また、excel(エクセル)のテンプレートであれば、操作自体も簡単ですし、すでにフォーマットが決まっているので、ダウンロードするだけですぐに使うことも可能です。
無料でフリーダウンロードできるexcel(エクセル)のテンプレートは、探してみると数多く存在することが分かります。そこで、まずは人気の高いexcel(エクセル)のテンプレートをフリーダウンロードして使ってみるのがおすすめです。
人気のexcel(エクセル)テンプレートであれば、使用しているユーザーも少なくありませんし、ツールの改善が行われている可能性が高く、使い勝手が良く簡単なものが多いからです。
本格的な農作業記録はフリーソフトやシェアソフトを導入
家庭菜園であればexcel(エクセル)のテンプレートで十分ですが、より本格的な農作業記録を保持したい場合は、フリーソフトやアプリまたはシェアソフトなどの、専用のソフトウェアやアプリを導入するのがおすすめです。
農作業記録はもとより、農作業に係る計算や写真の保存など、より高度な管理を簡単な作業で可能にしてくれます。
まずは簡単に導入できるフリーソフトやフリーアプリを無料でダウンロードしてみましょう。特に人気の高いフリーソフトやフリーアプリであれば、使い勝手も悪くありませんし、インターネットなどで説明も無料で簡単に見つけることができるでしょう。
ただし、フリーソフトやフリーアプリの機能はある程度限定的な簡単なものしか備わっていないと捉えておくことが大切です。
一方で、より本格的な管理ができるのがシェアソフトやシェアアプリです。シェアソフトやシェアアプリは無料のフリーソフトとは違い、経営管理にも近い部分まで踏み込むことが可能です。
シェアソフトで人気となるのが、「農業日誌」や「農業作業日誌」といったソフトです。「農業日誌」や「農業作業日誌」は、フリーソフトやフリーアプリに備わっているほとんどの機能を補っているのはもちろんのこと、税の計算や市場別の集計など、より本格的な農業記録を行うことができます。また、「農業日誌」や「農業作業日誌」といったソフトは、年および年度ごとにアップデートが行われており、農業に係る最新の数値が反映されるようになっています。他にも人気のシェアソフトはありますので、まずは人気の高いシェアソフトから導入を検討すると良いでしょう。
もちろん、「農業日誌」や「農業作業日誌」といったシェアソフトでも家庭菜園の記録を行うことは可能です。しかしながら、「農業日誌」や「農業作業日誌」といったシェアソフトは、家庭菜園などの簡易的な農業に対しては、オーバースペックとなるはずです。
「農業日誌」や「農業作業日誌」といったシェアソフトと、フリーソフトやフリーアプリ・excel(エクセル)テンプレートなどの無料ダウンロードで補える部分と、上手に使い分けて農作業記録を行うと良いでしょう。
農作業におけるリスクマネジメント その4
農業経営ならではのリスク
農業はその年の生産高を減らしてしまうような、さまざまなリスクがあります。例えば悪天候もそうですし、病中害被害のような農業特有の収量減少などのリスクもあります。他にも価格低下のリスクや、農業制作や税制の改正によるリスク、資金繰りなどの財務リスクなどの問題もあります。また労働力の不足、健康問題などの人的なリスクなどもあります。いかにこれを軽減させつつ、複数の選択肢から選択できるようにするのかも課題です。そのためには、農業日誌や農作業日誌、農作業記録(農業日記)などをつけ、どんな変化があったのかを書き残していくことも大切です。農業を仕事にしている人だけでなく、家庭菜園でも同様のことがいえ、栽培履歴として残しておくことが求められています。
そもそも農業は収穫し販売するまでに長時間を有します。そのため投資が利益を生み出すまでに数年以上かかることも珍しくありません。そのときの需要と供給の変化によって価格変動をもたらすため、リスクにいかに備えるかも重要です。農業日誌や農業作業日誌、農作業記録(農業日記)などを見返せば、そのときの記録がわかるようにしましょう。農業経営の管理もExcel(エクセル)のテンプレートを使った簡易的なものから、フリーソフト(ソフト)やアプリなどの簡単に人気があるものを比較しておすすめを調べる方法もあります。フリー(無料)ダウンロードも充実しているので使いこなしてくださいね。
農業経営ならではのリスク対策とは
農業経営で起こる、さまざまなリスクに備えなくてはいけません。具体的にどんな対策方法があるのか、説明していきたいと思います。リスクについては家庭菜園においても同じことになりますので、考え方としては一緒ですので、参考にしてみてくださいね。
・価格面
農業の価格を安定させるためにも生産物や生産資材の価格の安定している作物を、最初の時点で選択する方法もあります。制作的に価格が指示されている作物もありますし、安定基金制度によって、最低価格制度が保証されているものも存在します。これらの管理も、農業日誌や農作業日誌、農作業記録(農業日記)などの栽培履歴を参考にします。
・複数の事業
農業リスクを軽減するためには、複数の作物や事業を同時に行う方法もあります。同時に収益こそ発生しないものの、一つの作物が低調でもその他の作物から高い収益を得られるようになります。収穫時期の違う作物を生産することで、気象災害などのリスクを軽減し収入の安定化にも繋がります。また、販売時期を分散させることによって、ある程度の価格低下のリスクを分散することにもなります。
・販売ルートの多様化
市場では消費者価格のほうが安定する傾向にあります。直売の場合は、農業者の販売価格を安定させます。直売は価格変動への対応も必要になりますし、販売ルートの多様化によるリスクの分散なども期待できるようになります。また、栽培契約もリスクの低下に繋がります。価格変動のリスクを買い手側に移転することによって、価格が暴落したときの損害の回避もできるのです。これらの問題を解決するためにも、農業日誌や農業作業日誌、農作業記録、農業日記などをしっかりとつけておくことも必要です。
家庭菜園についても同様で栽培履歴を残しておきます。特に家庭菜園は、生産者のさじ加減で決まってしまうこともあります。家庭菜園についても栽培履歴をしっかりと書き記しておくことが求められます。具体的なリスクもExcel(エクセル)を使った数字の管理はもちろん、簡単に使える人気ソフトやフリーソフト、アプリなども揃っているのでおすすめです。フリー(無料)ダウンロードなど気軽に使えるものもたくさんありますよ。
農業リスク軽減に効果のある法人化とは
日本農業法人協会にて、法人化にすることもできます。農業法人の設立や、法人のために必要な各種制度、法人への就職、インターンシップなどを紹介してくれます。法人化のメリットとして経営管理能力の向上はもちろん、対外信用力の向上、経営発展の可能性の拡大、農業従事者の福利厚生面の充実、経営継承の円滑化などのメリットがあります。最初は家庭菜園から始まった農業も栽培履歴をつけているうちに、法人化まで進んだなんて話もあります。
法人化のためには農業日誌や農業作業日誌をつけるのはもちろん、農作業記録を書き記しておくこと、農業日記なども作成しておくことが求められます。法人化することによって、地域農業としてのメリットも忘れてはいけません。例えば新規就農の受け皿にもなります。初期負担などなく、経営能力や、農業技術を習得できます。他にも制度面でのメリットとして、税制の部分も大きくなります。役員報酬を給与所得することによっての節税もそうですし、欠損金の7年間繰越控除(個人は3年)、融資限度額の拡大などできることも増えていきます。
法人化するためにも、エクセル(Excel)のテンプレートは使いこなしておきたいものです。テンプレートならではの便利さもありますし、フリーソフト(ソフト)やアプリの基盤になっていることもあります。簡単にフリー(無料)ダウンロードもできますし、人気を比較しておおすすめのものを探してみてください。
農業経営にインターネット販売も活用しよう
農業経営リスクを回避するためにも、現代の方法でもあるインターネットを取り入れることもおすすめです。インターネットを使った農産物の販売やブランド化などをめざす経営者を対象したシステムの紹介もしています。「販路開発サポートセンター」を使って相談受付はもちろん、シンポジウムや相談会などの設置もしています。「全国担い手育成総合支援協議会」は、農業経営の改善にも繋がります。
また、「情報アグリビジネススクール」では、情報活用方法やIT化に向けての取り組み、講座などの紹介もしています。インターネットの販売についても、ソフト(フリーソフト)を活かしたものやアプリなどもあります。フリー(無料)ダウンロードから試せるのは簡単なのでおすすめです。Excel(エクセル)の知識さえあれば誰でも操作できるので、余計な負担にもなりません。人気を比較しつつ、自分たちにあったものを探してみてください。
フリーソフトを使用した農業経営も視野に入れよう
農業経営リスクを軽減するための方法について紹介しました。Excel(エクセル)などの簡易的なテンプレートはもちろん、フリーソフトやソフトなどを使う方法もあります。スマホをよく使う方ならアプリを津悪方法も検討してみてもいいかもしれません。フリー(無料)ダウンロードができるのはもちろん、簡単に人気が比較できるのも便利です。農業経営にとっても重要なポイントになりますので、後悔のないようにしっかりと準備していきましょう。IT化の波に乗ることも農業の経営リスクを抑えるためにはとても重要なポイントとして、覚えておいてくださいね。