電子カルテとは、電子的なシステムを導入し、従来の紙のカルテを電子情報として記録・管理するカルテのことです。カルテ管理が楽になるため、厚生労働省が推進していることもあり、電子カルテに移行する医療機関も多くなってきています。
電子カルテのメリットは、一言でいえば作業の効率化でしょう。自動チェック機能が付いているものが多く、縦覧点検・突合点検なども自動で行うので、人が行うよりも時間が短く、しかも正確に行えます。
また、カルテの入力項目も疾病や症状ごとに一元化され、テンプレートがあったりするので、カルテの作成時間を短縮することができます。さらに、カルテの記載事項を抜け落としてしまうこともないので、返戻作業がおこらず、その点でも効率化できます。
電子カルテには、カルテの記録・管理だけができるものから、受付や会計ともデータを共有して、薬の待ち時間を短くするなどの機能がついているものまで、さまざまなものがあります。自院に合ったものを選べるのも利点の1つでしょう。
しかし、電子カルテは人気のマックスシステムだけではありません。
まずは無料のアプリやexcelテンプレートをダウンロードして試してみることをおすすめします。
電子カルテのフリーソフト・エクセルテンプレート その1
電子カルテのフリーソフトです。
診断書・診療情報提供書、病歴管理、カルテ管理、退院サマリー、医院・クリニック・歯科・整骨院向けの電子カルテ、Web予約患者管理の3D電子カルテ、Webビューアを使った3D電子カルテ、総合電子カルテシステム、病院・医療・介護施設向けの診療予約管理、整体カルテ対応ソフトなどの人気無料ソフトやexcelテンプレートがダウンロードできます。マックスシステムの電子カルテのように使い勝手がよく、おすすめです。
電子カルテ Doctor_File
簡易版の無料電子カルテです。医院・クリニック・整骨院向けです。Access2010で作成しています。紙カルテからの、脱却をめざす医院に最適です。難しい操作や複雑な電子カルテの設定は不要です。電子カルテ作成の作業を大幅に軽減できます。マックスシステムに負けない使いやすさでおすすめです。
Carute File
カルテをPDFにして参照する、人気のファイリングシステムです。紙のカルテをスキャナで読み取り、PDFファイルにします。作成されたPDFファイルは、Adobe Reader等で見ることができます。PDFファイルは階層化したフォルダーに格納され、他のPCからも利用できます。
わかりやすい!カルテ管理
わかりやすい!カルテ管理
カルテを管理できるソフトウェアです。フリーソフトとして提供されています。メニュー画面から簡単になおかつ便利に操作することができます。カルテを管理、患者カルテ作成、くすり袋作成まで行います。また、検索機能も備わっています。内容を少し変えるだけで、多様な使い方ができますので、簡単なカスタマイズをしながら自分仕様に作り変えていくと、より使いやすいソフトとなるでしょう。
電子メモカルテ
電子メモカルテ
電子カルテの入門ソフトです。電子カルテに興味はあるけど、ちょっと使うには大袈裟で気が進まないと思われる方には最適なソフトとなっています。Access2003で作成されたフリーソフトで、電子カルテのように患者データと病名、SOAP、検査内容、処方などを入力することができます。完全な入門版となっていますので、手ごたえがありましたら市販の電子カルテを使ってみると良いでしょう。
電子カルテ&レセプト
電子カルテ&レセプト
開業医、医学生、医療従事者および医療事務員の為の、カルテ1号紙、2号紙、3号紙が作成できるソフトウェアです。エクセルVBAおよび関数で作成されているシェアウェアです。処方、注射、検査等入力関係は、ほとんどがマスターファイルからのコード入力となっています。試用期間は30日と設定されていますので、試用期間を過ぎて利用する場合は購入を検討すると良いでしょう。
電子カルテのフリーソフト・エクセルテンプレート その2
治療家が作った 電子カルテ (整骨・整体・カイロ等に)
整骨・整体・カイロ等に使える、電子カルテです。整体カルテなので治療家の目線で、作らられています。面倒な、紙面での記録から開放されます。エクセル上で、エクセルマクロを用いてプログラムされています。動作が速く、それぞれの治療院に合った、使い方ができます。
iClinic for WIN
iClinic for WIN
患者情報管理など診療支援システムです。いわゆる電子カルテとなっています。ファイルメーカーで作られていますが、ファイルメーカーがインストールされていないパソコンでも動作します。患者の医療情報を管理するのが目的となっており、患者の基本情報管理、診療支援、処方箋作成・管理などの機能が備わっています。基本的な情報管理を抑えているソフトと言えるでしょう。
かんたん動物病院カルテ管理
かんたん動物病院カルテ管理
飼主および動物の管理が行えるソフトウェアです。フリーソフトとして提供されています。簡単でなおかつシンプルなソフトとなっていますので、難しい操作などは必要ありません。パソコンが苦手なユーザーであっても、比較的簡単にソフトを使えるようになっています。管理ソフトを導入して業務の効率化を図ることで、より主業務に集中できる環境を整えることができるでしょう。
プチ 治療院カルテ
プチ 治療院カルテ
治療院、整体院向けの電子カルテです。フリーソフトとして提供されています。60人分の患者データを記録できます。記録できる内容は、患者名、住所、電話番号、患部となっています。ソフトの操作については、あまり難しいことはありません。視覚的に単純明快で、直感的に利用できる作りとなっているので、業務の妨げとなるような、難解で複雑なシステムとはなっていません。
歯科用カルテ記載ソフト
歯科用カルテ記載ソフト
歯科診療時のカルテ作成を支援する為に作られたエクセルを使用したテンプレートです。フリーソフトとなっています。電子カルテなどを最初から作成するのには、手間と時間がかかってしまいます。通常業務に支障をきたすなど、業務の効率化の観点から考えて、ゼロからの作成はあまりおすすめできません。そういった時に、このテンプレートを活用することで、手間と時間を省くことができます。
電子カルテのフリーソフト・エクセルテンプレート その3
WAVEカルテ
WAVEカルテ
タブレットPC対応の電子カルテです。シェアウェアとして提供されています。マルチウィンドウによって、利用者毎に自由なレイアウト設定することができます。また、日医標準レセプトソフト(ORCA)とのMML-CLAIMによる連動患者情報、診療情報、会計情報のやりとりが可能です。さらに、チェックシート方式テンプレート入力、印刷機能、ペン入力、タッチ&ペーストなど機能も充実です。
karute
karute
エクセルで動く電子カルテです。シェアウェアとして提供されています。エクセルなので操作性はエクセルが使えるユーザーであれば簡単に扱うことが可能です。電子カルテを導入することで、患者データの管理だけではなく、患者の待ち時間などの短縮にも繋がります。また、日々の業務の中でデータが蓄積されていくため、月末や月はじめの忙しさから開放される可能性もあるでしょう。
カルテメーカー for Mac
カルテメーカー for Mac
MacとWindowsの両方で動く歯科用総合電子カルテシステムです。電子カルテ機能を中心にレセプト、受付、予約、各種帳票印刷、画像管理など多彩な機能を統合した歯科用基幹システムとなっています。蓄積された情報を最大限に活用するために、カルテを「見る」機能が充実されています。また、チーム医療やカルテ開示対策としてPOMR(問題指向型診療録)にも対応しています。
はなももカルテ お試し版
はなももカルテ お試し版
特徴キーボードで簡単便利に使用できる、カルテ管理&データベースソフトです。サンプル版として提供されています。予約、患者の住所録、主訴や病歴、施術記録の管理、集計、印刷などが行えます。また、患者の住所録とは別の住所録として電話帳を搭載しています。取引先などを登録もできます。集計から患者別、施術別の来院回数、治療代合計などを把握することもできます。
院内検査取込システム(RS_CommPro)
院内検査取込システム(RS_CommPro)
院内の血液検査機器のデータをRS-232C、TCP%2FIPにて取得し、電子カルテに出力するシステムです。最大10機種までの検査機器を同時接続することが可能です。また、オプションで、院内の医事システムとのID連携%2F院内電子カルテへの検査結果を送信することができます。さらには、バーコード出力、カルテとのオーダ連携、検査機器とのオーダ連携などといった機能があります。
診断書カルテのフリーソフト その1
診断書カルテ、処方箋のフリーソフト、シェアウェアのリンク集/診断書・診療情報提供書、病歴管理、退院サマリーなど。医療画像、検査分析、医療データベース、診断書カルテ、処方箋、医療文書、紹介状、勤務日誌、看護プラン、レセプト請求、予約管理、患者管理、薬剤管理、栄養管理、リハビリ、健康診断、血液検査などのソフトやexcelテンプレートがダウンロードできます。
「診断書・診療情報提供書」作成ソフト
診断書・診療情報提供書作成ソフトです。(医科・歯科)患者情報、傷病名、紹介目的、所見等また紹介先情報などはリストに登録して再利用可能。紹介先医療機関の宛名印刷ができます。
治療院の電子カルテ (整骨・整体・カイロ等)
エクセルマクロを用いてプログラムされています。メモリ消費量が少なく動作が速いこと、それぞれの治療院に合った使い方ができることが特徴の整体カルテソフト。整骨・整体・カイロ等の治療院等に。
わかりやすいカルテ管理
お医者さんで作成するカルテを管理できます。患者カルテも作成し、くすり袋も作ります。簡単便利よく操作ができ、検索機能も有ります。ペットまで幅広い使い道があります。
電子メモカルテ
電子カルテ入門版です。電子カルテに興味はあるけど大袈裟で気が進まないという方には最適。患者データと病名、SOAP、検査内容、処方などを入力できます。検査内容は完全な入門版。
診断書カルテのフリーソフト その2
プチ 治療院カルテ
60名分の患者データを記録できる治療院、整体院向けの電子カルテです。患者名、住所、電話番号、患部を記録でき簡単に操作することができます。
iClinic for WIN
ファイルメーカーPro4.1Jのランタイムアプリケーションです。ファイルメーカーがなくても動作します。患者さんの医療情報を管理する診療支援システム、電子カルテです。
MeDoc 診療書類作成
診療情報提供書、返書、診断書、病歴要約(退院サマリー)等を作成することができます。画像、シェーマの貼り付けや手書き入力をサポートしています。
病歴管理システム
患者の年齢分布、地域分布、病歴、入退院歴、処置・術式をデーターベース化し管理するソフトです。病名の曖昧検索から曖昧統計まで可能です。ICD-10対応してます。
診断書カルテのフリーソフト その3
電子カルテ Kranke DataBase
汎用的な電子カルテの機能は、すべて標準で装備の本格的電子カルテです。SOAPから処方履歴はもとより、2号カルテ出力、処方指示箋出力、紹介状作成、シェーマ、検査数値など。
karute
とても簡単な、エクセルで動く電子カルテです。
WAVE カルテ
タブレットPC対応の電子カルテです。日医標準レセプトソフト
(ORCA)とのMML-CLAIMによる連動患者情報、診療情報、会計情報のやりとりが可能です。
かんたん動物病院カルテ管理
動物病院向けのソフトです。
飼主及び動物の管理が簡単にできます。
処方箋のフリーソフト
患者情報・処方箋管理 患者検索ソフト
「患者情報・処方箋管理 for Access2002」で登録された患者データを各種条件で検索します。性別、年齢、医療機関名、服用薬、病名、アレルギー、体質、副作用で検索できるアプリです。
へるぷ!インスリン処方
インスリン処方時の煩雑さをお手伝いするソフトです。
処方せんを書くソフト
医師などが院外処方せんを発行するためのツール。 VBAで作成印刷。簡易型に作成のため、医薬品リストは主なもの 1800種類しか入っていませんが自由に増やすことが可能なアプリです。
The 院外処方箋
院外処方箋を作成することができます。
処方履歴をファイルに保存でき、各項目をデフォルトで表示できるなど、使いやすいexcelソフトです。
医療現場で主流になりつつある「電子カルテ」とは
近頃は、医療現場で「電子カルテ」が主流になりつつあります。紙媒体のカルテ管理は想像以上にやることも多く、医療現場の逼迫の原因にもなります。カルテ管理の効率化のためにも電子カルテとして整体カルテや、医療カルテを見かけるようになりました。診断書や診療情報提供書一つにしても、電子カルテの導入により簡素化されています。マックスなど電子カルテの導入によって、カルテ管理がどう変わっているのか、説明してきたいと思います。
診療所で電子カルテの導入がカルテ管理の発展に繋がる
電子カルテがカルテ管理にとって発展するためには、診療所がその土壌だと考えられています。その理由として、電子カルテにてカルテ管理を行うなどの“新しい概念のシステムを育成する”には何度も試行錯誤を繰り返す必要があります。整体カルテや医療カルテにも言えることですし、診断書や診療情報提供書の一つにしてもやり方がかわります。大病院のような大きな組織になると、全員の意見が揃わないと先へ進めません。
その点、故人の施設である診療所には電子カルテをカルテ管理としてつかいながら改良できる良さもあります。電子カルテが定着してくると大規模な病院でも電子カルテの全盛期に入ります。カルテ管理や医療管理などの能率化につながる記述も増え紙媒体に一時的に戻っても、結果として電子カルテに戻るといった話もあります。整体カルテのような少し診療所でも異なるところでは、今でも紙媒体を使っているところもあります。
整体カルテをいかに医療カルテとして機能させるのかによって、整骨院の経営にも大きな関わりがあると言えます。整体カルテは数値から直感的に課題や目標、問題などを把握できる良さもあります。整体カルテは、診断書や診療情報提供書などの患者さんの施術証明や不正の防止にもつながっています。電子カルテの導入以前に、Excel(エクセル)のテンプレートやフリーソフト(ソフト)やアプリなどを使うケースもあります。簡単に人気がわかるのでおすすめです。
電子カルテの歴史と進化
医療カルテとして電子カルテが機能し始めたのは1984年です。「紙とペンを使う仕事のほとんどをコンピューター化したが、肝心の診療録のみが手書きであるのに気付いた」のが、電子カルテを開発した動機だと考えられています。第1世代のWINEは文字だけしか扱えなかったものの、1993年にNEXTSTEPと呼ばれるOSに移植して、マウスやアイコンをつかいながらできる医療カルテになりました。
診療所から病院までカバーできるようになったのが、第3世代です。現在はアップル社の新しいオペレーティングシステムとして生まれ変わっていること、マックのうえで動いています。最近のWINEはNOAと呼ばれるようになり、ネットワーク越しに診療を助けてくれる、手際の良いアシスタントを目指しています。医療カルテの管理はもちろん、診断書や診療情報提供書などの管理にも一役買っています。
マックスシステムの電子カルテなども有名です。マックスでは、柔軟なカスタマイズに特化していること、マックスならではの快適なカルテ環境などの特徴もあります。
マックスを使うと院内のすべての情報が集約されます。そのため、病院の規模に関わらず、院内のすべての情報がマックスに詰まっているとも言えるのです。電子カルテの歴史もソフト(電話がフリーソフトも含む)やアプリを使っているからこそ、わかるものです。フリー(無料)ダウンロードはもちろん、簡単に人気がわかるものなどもおすすめです。簡易的なテンプレートはExcel(エクセル)が使いこなせれば問題ありません。
電子カルテだからこそのメリットとは
電子カルテの特徴を紹介しながら、どんなメリットがあるのかご紹介します。まず、電子カルテはネットワークをつないでいる利点もあります。時間や空間を超越し、どこからでも利用できる良さもありますし、リアルタイムで情報を異なる部署への共有などの良さもあります。診断書や診療情報提供書なども電子カルテを使えば簡単に共有できます。また、診断書や診療情報提供書を出すときも何箇所にも転記する必要がないことで、余計な作業の簡素化にも繋がります。また、データをいろいろな角度から見たり、表現するなどの方法もでき、加工できる柔軟性も人気の理由です。
電子カルテを導入したことにより、作業の効率化にも大きな変化が生まれました。診療計算などはほぼワンタッチで済むこと、内容を少し修正して再計算などの使い方もできます。診断書や紹介書などの作成もワンタッチなので、余計なストレスも感じません。テンプレートを使える分、作業が効率的ですし、キーボードの扱いに熟達していなくても、能率化は十分に実現できます。ただし電子カルテの倍、必要に応じて平文による文章を追加などの作業も必要になります。診療所などは両方のいい面をしっかりとつかいつつ、診療を行うなどの工夫をしています。
電子カルテの便利さも、まずはフリー(無料)ダウンロードから試す方法もあります。フリーソフト(ソフト)やアプリはもちとん、簡単に人気もわかりおすすめです。Excel(エクセル)の操作のように誰でも簡単に使えるメリットもあります。
作業の必要不可欠な電子カルテ
電子カルテの特徴だけを伝えても、具体的にどこまで便利なのかわかりにくい点もあると思います。まず、来院者があると受付の端末からカルテ番号を入力していきます。カルテの検索欄には、カルテの番号や氏名、最終受診日などがあり、どんなキーを入れても検索できます。来院者登録は完了すると、医師の画面で受信者リストに登録された受診者名は表示されます。NOAはデータを持っていないこともあり、読み書きができ自由にレイアウトの変更ができるブラウザのような役割を担っています。
主訴や処置などはメニューから選択できますが、その場で登録したり編集することもでき、入力は極めて能動的なものになります。治療行為を個々に入力する必要もなく、確定したら右下の集計ボタンを使って診療費の算出が行われます。レセプトの返戻防止にも役立ちます。電子カルテの問題としてセキュリティがあります。セキュリティを厳しくすればその分、扱いにくいシステムになり、使いやすいとセキュリティの問題も出てきます。
両者のバランスはシステムの運用上、いかに重要なことかがわかると思います。ただ電子化したからといって神経質になる必要はありません。電子カルテの効率化についても、フリー(無料)ダウンロードから使えます。ソフトやフリーソフトなどのアプリの選択肢もありますし、簡単に人気もわかるなどのおすすめしたい理由があります。Excel(エクセル)のテンプレート程度の知識や技術で問題ありません。
紙カルテから電子カルテへ、医療体制の大きな変換
紙ベースのカルテから電子カルテへと移行したのがいつごろかご存じですか?答えは「1984年ごろ」、紙やペンを使う事務作業がどんどんコンピュータ化されていく時代の最中、診療録だけが最後まで手書きで行われていたのは不思議な話です。そんな非効率的な現場を変えようと電子カルテ開発がスタートしたのでした。
第一世代電子カルテ「WINE」はこうして改良を重ねていった
第一世代電子カルテは「WISE & NEAT」と名付けられ、主にWINEという愛称で現場に登場しました。「WISE & NEAT」とは「賢く、手際のよい医療秘書の実現を目指した開発コード名」。第一世代は文字のみしか扱えないシンプルなものでした。
この画期的なシステムを初めて導入し始めたのは、意外にも大病院などではなく地域に根差した診療所でした。というのも、まだ発達の余地がある未成熟なシステムは、初めは小さな組織形態で稼働した方が試行錯誤を行いやすいからという理由があったようでした。まずは診療所で実際の使い勝手を試しながら電子カルテシステムの概要や仕様を決めていき、決定された後は大病院にて一気に電子カルテシステムが導入されていったのでした。
電子カルテ第二世代と第三世代で大きく飛躍した
プログラミング画面のように文字のみしか扱えなかった第一世代の電子カルテから、マウスやアイコンを使うおなじみの様式に進化したのが第二世代電子カルテで、1993年NeXT社が開発したものでした。そして、小さな診療所から大きな総合病院まで幅広くカバーできる第三世代電子カルテが登場した後、NeXT社はApple社に吸収合併されました。WINEには大橋版と高橋版と呼ばれる2つの種類があり、現在NOAと呼ばれているシステムはこの大橋版のWINEのことを指しています。
WINEシステム開発の裏側
WINEシステム開発に向けて開発者が目指したこと、それは、
①紙でできたことは全てできること
②紙のカルテより使いやすいこと
③紙でできないことができること
という、シンプルかつ困難なことでした。しかし、そうした信念を貫いたからこそ今でも現場で扱いやすい現役のシステムとして広く普及していったのでしょう。電子カルテの操作性についてまとめてみました。
電子カルテの強みの一つはネットワークである
ネットワークを利用すると、紙媒体では得られない利点を得ることができる。利点とは「いつでもどこでも利用できること」「部署を超えたリアルタイムの情報共有が可能」「データをあちこちに転記しなくても良くなる」「データの転送が簡単に行える」などが挙げられます。開発当時、光カードという保存媒体に電子カルテを保存する方向性も示されましたが、それではネットワークの優位性が損なわれてしまうと開発者は考え、ネットワーク上での保存を主張しました。
1つのカルテがあらゆるシーンで扱いやすくなる
電子カルテは紙カルテとは違い、加筆や修正が容易に行えるのもメリットの一つです。病院内でも医師が電子カルテを見ることもあれば、検査室で検査一覧用に閲覧することもあり、受付ではレセプト用の資料として見ることもあります。それらは電子カルテだからこそ一つのカルテで多様な使い方が可能になったのです。
作業が効率化できる
現場に電子カルテが導入されて劇的に変わったのはおそらくこの作業の効率化だろうと言われています。例えば診療費用の計算などはコンピュータのボタンクリックひとつで瞬時に計算できるようになりましたし、診断書や紹介状の作成などといったイレギュラー的な業務も比較的簡単に行えるようになりました。
NOAの使い方
実際の使い方をなぞりながら、NOAの良さというものを実感してみましょう。
・来院されてからレセプトするまで
来院者があると、受付端末から来院者情報を入力してカルテを呼び出します。このとき、カルテ番号を直接入力しなくても、氏名や最終受診日というどんな情報でもカルテを検索することができます。来院者が診察券を忘れてもスムーズな受付が行えるというわけです。カルテ画面は何枚でも開くことができるので、紙カルテをめくっている感覚と同じ感覚で電子カルテを探したり閲覧したりすることができます。カルテのデータはネット上にあり、必要なデータを都度引き出しているような仕組みになっています。カルテ画面はシンプルな構造になっていて、主訴や処置などはメニューから選択できるように、簡単な作業を可能にしています。それに加えて必要があればその場でメニューを変更したり登録したりすることができ、常に使いやすく更新できるシステムになっています。
・電子カルテを作成する様子
基本的な情報はほとんどが選択していくだけの作業です。例えば「検査」という項目を選ぶと、さらに「ABO血液型」「AG比」「ALP」…といった具合に、細かい内容を次々と選んでいけるようになっていて、実際の作業でキーボードを使って文字を打つ、ということはあまりなく、受診者の訴えを記入するときくらいです。診療の項目を入力し終えたら、集計ボタンを押せばその通りの費用を自動計算してくれるのが電子カルテの大きな利点の一つです。また、検査データや定期検診といった内容なら、テンプレートと使って閲覧・入力をします。数値がレッドゾーンなら赤色、基準範囲なら黒色、優良ゾーンなら青色で表示されるのでぱっと見てどの数値が良くどの数値が悪いかがよく分かりやすく、受診者への説明も行いやすくなっています。
ネットに繋がっているのはセキュリティーの面で心配?
紙で院内に保存しているだけのカルテよりも、ネットワーク上に保管されている電子カルテの方が漏洩や破損といったリスクが増すのではないか?しかし、セキュリティーを強くしすぎると今度は電子カルテの利便性が失われることに繋がり、本末転倒となってしまう…そんな不安をお持ちでしょうか?
セキュリティーは必要ですが…
確かにネットワークに繋がっている以上、大切な患者さんの個人情報や診療情報が漏洩しないためにセキュリティーソフトを導入することはマストです。それに、使用する人に対してIDやパスワードキーの管理を徹底する必要もあります。しかし、電子カルテだからといってそれ以上に心配をするのはあまり必要がないことかも知れません。また、紙カルテだからといって安心というわけでもないのではないでしょうか?
電子カルテはあらゆるツールがあります
マックスシステムというソフトが人気ですが、電子カルテのソフトはそれだけではありません。初めは電子カルテと紙カルテを併用しながら作業を進めていくことになりますから、簡易的なフリーソフトを導入してみても良いでしょう。エクセルのテンプレートを使うと新たなアプリやソフトをインストールすることなくスタートできるのでおすすめです。
電子カルテのフリーソフトを使って日々の業務の効率化を図ろう
電子カルテは、診療所や大病院のすべてで作業の効率化に繋がります。電子カルテを使っていかに作業を効率化させるか考えたときに、ソフト(フリーソフト)やアプリなどが役に立ちます。フリー(無料)ダウンロードが充実していること、簡単におすすめや人気の電子カルテなども調べられます。種類もたくさんあるので、どこにしたらいのか、つかいながら試してみてください。また、Excel(エクセル)操作に慣れていれば、初心者でも使いこなせるはずですので同時に試してみてくださいね。病院にとっても必要な作業の効率化につながるのは、大きなメリットといえるのではないでしょうか。