金利と利息の基本理解!計算方法やエクセル活用法を徹底ガイド

金利計算・ローン計算



金利や利息は、資金の預け入れや借り入れの際に不可欠な要素です。利息や利子の基本、金利の定義、そして固定金利と変動金利の違いを理解することから始めましょう。また、単利と複利の違いや利回りの概念についても説明しています。さらに、エクセルを活用した利息計算や金利計算の手法から、定期預金や住宅ローンの計算にどのように応用できるかがわかります。このページでは、金利や利息の基礎から計算方法まで解説しています。

金利計算・利息計算・ローン計算・元利均等返済のエクセルテンプレート
定期預金を始めたり投資商品を購入したりするとき、または大きな買い物をするためにローンを組むとき、どれぐらいの利息・金利がかかるのか気になるところではないでしょうか。 ここでは、金利計算・利息計算の方法や、金利計算・利息計算・ローン計算...



利息・利子とは

利息と利子は同じ意味です。

どちらも「お金を借りたとき、貸主に借りたお金とは別に支払うお金」のことを指します。

お金を借りた側から見る場合は「利子を払う」、お金を貸した側から見る場合は「利息を受け取る」と表現することが多いですが、厳密な決まりはありません。

銀行などの金融機関では「利息」、ゆうちょ銀行では「利子」とよんでいます。

また、利息制限法では「利息」を使う一方、所得税法では「利子税」「利子所得」のように「利子」が用いられます。

法律によって異なり、利息・利子のいずれかで統一されているわけではありません。



金利とは

お金を借りると、借りたお金とは別にお金を上乗せして貸主に支払うことになります。

その上乗せの金額を「利息(利子)」とよぶのに対し、元金に対する利息の割合を「金利(または利率)」とよびます。

たとえば、1年あたりの金利なら「年利(年率)1%」のように表現します。

金利には年利のほかに、1月あたりの金利である「月利」や、1日当たりの金利を表す「日歩」があります。
なお、年利や月利は%で表現しますが、日歩は元金100円あたりの1日の利息で表します。

固定金利と変動金利

ローンを組む際、借りたお金に対する金利の設定方法として「固定金利」と「変動金利」があります。
固定金利では、お金を借りたときに設定した金利は返済終了時まで変わりません。
一方の変動金利では、金利が変動します。
多くの場合、借り入れた金融機関が設定するレートを基準に、金利が半年に一度見直されます。



利回りとは

金利と似た表現に「利回り」があります。
利回りとは、ある期間運用を行った際、元金に対してどれだけ利息や売却益で利益が出たか(または損失が出たか)割合を示したものです。

たとえば、株を100万円分購入し、1年後に配当金を3万円受け取り、110万円で売却した場合、利回りは以下のようになります。
(配当金3万円+売却益10万円)÷購入金額(投資額)100万円×100=13%
つまり、利回りは13%となります。



単利・複利とは

元金に利息(利子)がつく方法として「単利」と「複利」があります。
単利は毎回、元本に対して利息を付ける方法です。
対する複利は、付いた利息を元本に組み入れて、次回の元本とする方法です。

複利の場合、元本に利息がプラスされた金額に対して利息がつくため、回を重ねるごとに利息が膨らんでいきます。



利息計算・金利計算の方法

定期預金を預け入れたり、株や投資信託などを購入したりする際、もらえる利息を知っておくことは金融商品を選ぶ大切なポイントです。
また、ローンを組む際も、金融機関にどれぐらいの利子を支払う必要があるか気になるところです。

ここでは、いくつかの具体例で利息計算(金利計算)の方法をみていきましょう。

定期預金で付く利息の金額を出す

(例)年利10%の定期預金に100万円を2年間預ける場合、単利と複利でそれぞれどれぐらいの利息がつくか。
※実際は利息から税金が差し引かれますが、ここでは税金分を考慮していません。

【単利の場合】
単利の場合、以下の式をもとに利息を計算します。
利息=元金×年利×年数

利息=100万円×0.1×2=20万円
2年間で20万円の利息が付きます。

【複利の場合】
複利の場合、以下の式をもとに利息を計算します。
利息=元金×{(1+年利)^n-1} ※n=年数

利息=100万円×{(1+0.1)^2-1}=21万円
2年間で21万円の利息が付きます。

満期時に目標額を受け取るために必要な積立金額を出す

(例)年利0.3%(複利)の定期預金に10年間積み立てて、10年後に300万円を受け取りたい。1年間にいくら積み立てる必要があるか。

複利の元利合計は以下の式で計算します。

積立額=元利合計×年利÷【(1+年利)×{(1+年利)^n -1}】 ※n=年数
積立額=300万円×0.003÷【(1+0.003)×{(1+0.003)^10-1}}】
≒295,179円
1年間に必要な積立額は約295,179円になります。

住宅ローンの月々の返済額を出す

(例)住宅ローンで2,500万円を借り入れた。
借入期間は30年(返済回数360回)、金利(年利)は固定金利1.3%、返済方式は元利均等返済、ボーナス返済なしとする。
毎月の返済額はいくらになるか。

住宅ローンなどの返済方式には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
元利均等返済とは、毎月一定額を返済する方法です。
「元利」という言葉が入っているように、返済額には元金と利息が含まれており、返済額から利息を引いた分が元金の返済に充てられます。

返済回数が進むにつれて、返済額に占める利息の割合がだんだん減り、逆に元金の割合が増えていきます。

元金均等返済は、返済額のうち元金が均等となる返済方法です。
元金は返済期間を通じて一定になっており、利息は返済期間が進むにつれて減っていきます。

今回の例は返済額が一定になる「元利均等返済」で計算します。
毎月の返済額は以下の計算式で求めます。

毎月返済額=借入金額×月利×(1+月利)^n÷{(1+月利)^n-1} ※n=返済回数

年利が1.3%なので、年利を12で割って月利を求めます。

月利=0.013÷12
毎月返済額=2,500万円×0.013÷12×(1+0.013÷12)^360÷{(1+0.013÷12)^360-1}
≒83,862円

毎月の返済額は83,862円になります。

エクセルで利息計算・金利計算をするには

上記では式に数字を当てはめて利息計算(金利計算)を行ないました。
複利の場合は指数を含む計算をするため、関数電卓を使わないと手間がかかるものです。

銀行などの金融機関の公式サイトにはローンの返済シミュレーションがあり、月々の返済額や借り入れ可能金額が計算できるようになっているので活用するとよいでしょう。

また、エクセルを使って、預金の利息計算やローンの返済額を計算することもできます。ここでは、エクセルを使って複利の利息計算の方法を紹介します。

エクセルを使った複利の場合の利息計算~FV関数を使う

エクセルのFV関数を使うと「年利」「預入期間」「預入額」を指定した場合の満期受取額が計算できます。

FV関数の書式は以下のとおりです。
=FV(利率,期間,定期支払額,現在価値,支払期日)

年利10%の定期預金(複利)に100万円を2年間預け入れる場合、FV関数を使うと以下のように一発で満額受取額が出せます。
FV関数には「利率」「期間」「現在価値」の引数を入力します(現在価値は預入金額にマイナスをつけて指定します)。

=FV(10,2,-1000000)
=¥121,000,000

121万円-100万円=21万円が利息であることがわかります。

エクセルを使ったローン返済額の計算~PMT関数を使う

元利均等返済で返済する場合、エクセルのPMT関数を使って毎月の返済額を出すことができます。

=PMT(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)

住宅ローンで2500万円を年利1.3%で借り入れ、返済期間が30年である場合、毎月の返済額は以下のようになります。

PMT関数には「利率」「期間」「現在価値」の引数を入力します。
月々の返済額なので利率は12で割って月利を計算し、期間も月数に変換する必要があります。

=PMT(1.3%/12,360,25000000)
=¥-83,901

マイナス数値で計算された値が毎月の返済額です。上記では手動で計算しましたが、小数点の処理が原因で数値に誤差があります。

利息や返済額の計算方法

エクセルの関数を使えば、電卓を使わなくても利息や返済額の計算ができます。
「月々の返済額を出すだけではなく、返済額の元金と利息の内訳や、残高も出したい」「利息制限法を超えて借りていたお金について、引き直し計算をしたい」など。
複雑な工程を必要とする計算については、ネットで配布されているエクセルテンプレートやフリーソフトの活用をおすすめします。

エクセルテンプレート

エクセルテンプレートの代表的なものが、上記で紹介したPMT関数を利用しローンの返済予定表が作れるものです。

金融機関の公式サイトにもローンシミュレーターが用意されていますが、金利や借入期間などの条件を変えて比較検討するには、エクセルテンプレートの活用が便利です。

元利均等返済方式と元金均等返済方式の両方に対応したものや、ボーナス時の増額返済に対応しているものなど、利用者の状況に合わせたさまざまなテンプレートがあるので、ネットで探してみましょう。
テンプレートを活用すれば、複数のパターンをシミュレート・比較できます。

フリーソフト

フリーソフトには、返済予定表の作成機能に加えて、収入に応じた借入限度額や返済プランを提示してくれるもの、複数のローンを一括管理できるもの、繰り上げ返済のシミュレーションをしてくれるものなどがあります。

返済予定表にプラスして別の機能が欲しい場合は、フリーソフトを活用しましょう。

また、ローン返済以外にも金利計算用電卓や、利息制限法に基づく引き直し計算ソフト、遅延損害金計算ソフトといったものもフリーソフトとして提供されています。

フリーソフトの多くはエクセル上で動くものですが、中にはエクセルに頼らずに単独で使えるソフトもあります。
フリーソフトをダウンロードする際は、エクセルが合わせて必要になるのか不要なのかを確認しましょう。

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